党内人気を高める「奥の手」とは

国民からは、まだまだ高い支持を得ながら、自民党内での求心力はジリジリと低下中……というのが高市内閣の現在地だ。

高市氏が求心力を回復させるには、通常、9月と見られる自民党役員人事と内閣改造を7月に前倒しするほかない。

自民党を見渡せば、先の衆議院選挙で国政に復帰した武田良太元総務相が、旧二階派のメンバーを集めて「総合安全保障研究会」を発足させ、萩生田光一幹事長代行も、旧安倍派の面々を集めて、人事を見据えた態勢を整えつつある。

この他、前述した参議院自民党の石井氏も40人超の「自由民主党参議院クラブ」を立ち上げ、反高市色を鮮明にしつつある。

また、過去2度、総裁選挙に出馬した小林氏や小泉氏を支持する若手議員らも会合を開くなど、夏の人事ならびに「ポスト高市」を見据えた動きも出始めている。

「選挙であれだけ勝ったんだから倒閣の動きなんてないよ。でもね、消費税や定数削減で反高市色が強まれば、来年春の統一地方選挙後に、秋の総裁選挙に向けた動きが出てくるんじゃないか」(旧安倍派衆議院議員)

国民民主がちらつかせる「茂木カード」

次の人事の焦点は、麻生氏の義弟で財務族の鈴木幹事長を交代させるかどうか、である。

「少し前、国民民主党の榛葉さん(榛葉賀津也幹事長)が会見で茂木さん(茂木外相)を高く評価したよね。あれは、榛葉さんに近い麻生さんの差し金かなあ。『幹事長を代えるなよ。もし交代させたら、いつでも茂木カードを切るぞ』っていう」(同)

人事で言えば、数少ない側近である尾崎、佐藤両官房副長官を続投させるのか、それとも交代させるのかにも注目したい。

外交面で言えば、前述したように、高市氏のベトナムとオーストラリア歴訪は、エネルギーの安定供給やサプライチェーンの強靱化に向けてプラスとなるものだった。

ただ、その一方で、「日本は助けてくれない」を繰り返すアメリカのトランプ大統領、そして、2025年11月7日の国会答弁以降、関係が悪化したままの中国・習近平国家主席とのはざまで、外交的にも綱渡りの状況が続いている。