深野の答え:「一緒」が親孝行ではない。気にしていることが伝わればOK

親孝行の満足は大きさではない

一緒にいることだけが親孝行ではありません。週に1本、電話をしてあげるだけで、ものすごい親孝行です。老人にとって一番きついのは孤独です。特にひとり親だと、誰かと会話をする機会が減りますから、週1本の電話がうれしいもの。難しかったら、誕生日に電話でもいい。メールで一言でもいい。親は「子供が自分を気にかけてくれる」と感じるだけで、とても喜ぶものです。

親孝行できないという悩みを持つ人は、「何もしていない自分」が嫌なんです。ほんの些細なことでもいいので何かしてあげれば、親不幸の罪悪感から逃れられます。親孝行の満足感は「大きさ」ではない。小さなことでもちょこちょこやっていれば、自分が美しく見えてきます。

親孝行のコツは「できることをできる範囲で」。地方には仕事が少ないので、親と遠距離になるのは仕方がないこと。無理に一緒に住む必要はありません。むしろ離れていたほうがいい関係が築けることも多い。向こうに行けないなら、切符を送ってこっちに来てもらってもいい。時代とともに親孝行の形も変わっています。柔軟に考えたらいいですよ。

「できることを、できる範囲で」
本田 健
『ユダヤ人大富豪の教え』(だいわ文庫)など著作は700万部を突破。近著に『運命をひらく 生き方上手 松下幸之助の教え』(PHP研究所)。
 

深野康彦
ファイナンシャルプランナー
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務に研鑚。96年に独立。『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』(ダイヤモンド社)など編著、著書多数。
 
(構成=田中 裕、東 雄介 写真=iStock.com)
【関連記事】
「ウチはお金持ち」勘違いが生む親子破綻
「子を怒ってばかりの母親」5つの特徴と、結末
月収44万68歳の悩み"暇で暇で死にそう"
"メンタルが強めな人"にある3つの超感覚
健康を保つことは貯金をしているのと同じ