ムダ遣いをしてしまう、行動がのろい、片づけられない……。そんな苦手を克服するにはどうすればいいのか。今回、9つのテーマに応じて、各界のプロにアドバイスをもとめた。第9回は「つい食べすぎてしまう」について――。(第9回、全9回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年7月16日号)の掲載記事を再編集したものです。

食べすぎの元凶、コルチゾールとは

つい食べすぎてしまうのはストレスが原因です。脳科学で説明すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが体内で分泌されているときに、人はストレスを感じていると言えます。

写真=iStock.com/Kontrec

このコルチゾール、本来はストレスから守ってくれる物質なのですが、夜間も分泌され続けると、緊張した状態が続いて睡眠不足に陥ってしまいます。これが食べすぎになる元凶です。睡眠不足だと身体がエネルギーを溜め込もうとしてしまい、モノを食べると血糖値が急激に上昇し、脂肪を過剰に蓄積してしまうのです。そして、それが肥満につながるというわけです。

そうした食欲の増大を防ぐべく、質のよい睡眠を取るためにはどうすればよいのか。ポイントを具体的に説明しましょう。

まず、夜寝る2~3時間前から間接照明のついた部屋で、読書や家族と話すなどリラックスした時間を過ごしてください。こうすることで交感神経と副交感神経が切り替わり、リラックスモードに入ります。さらに、ペットと触れ合ったりすれば、オキシトシンというリラクセーションのホルモンが分泌され、なお効果的。オキシトシンは免疫力をあげて睡眠の質をあげることに貢献します。

質のよい睡眠を取るために体温も意識しましょう。体温が徐々に下がっていったほうが深い眠りにつきやすい。理想は午後10時までにぬるめのお風呂に入ること。1、2時間後には自然と眠くなり、この習慣を続けるとコルチゾールの分泌も減っていきます。逆に、遅くまで残業をするほか、蛍光灯のついた部屋でパソコンやゲームをするのはNG。脳が昼間と同じ状態になってしまい、睡眠に悪影響を及ぼします。

一昔前に流行ったレコーディングダイエットも効果的です。体重や食事内容を記録することで客観的に自分の習慣を把握でき、食事をコントロールできるようになります。ダイエットを決めたら、家族や周囲に宣言するのも効果的です。