アマゾンの企業理念が知られていない

アマゾンが我々の生活に根付く一方で、小売店の相次ぐ閉店など、他産業を食い物にする「商習慣の破壊者」といったイメージを持たれることも少なくない。そういった負の印象が付いて回るのは「アマゾンの企業理念が知られていないから」だと、アマゾン ジャパン立ち上げメンバーであり、現在は経営コンサルタントとして活躍する佐藤将之氏は語る。

佐藤将之氏

「創業者ジェフ・ベゾスの言葉『カスタマーズ・ルール!(お客様が決める)』、これがアマゾンを象徴しています。徹底した顧客第一主義がアマゾンの企業理念なのです。徹底してニーズに応える選択肢を用意しているだけで、他産業を壊すという意図はない」

確かにアマゾンが生まれなかったと仮定して、現在も町の商店街が活気づいていたのかどうかを考えると、懐疑的にならざるをえない。

顧客第一主義の経営理念に共感した佐藤氏は、これを世に伝えたいと思い本書を書き下ろしたという。著書の中には「パワーポイント禁止」「説明資料は箇条書きでなく文章化」など、多くのアマゾンルールが記されている。なかでも日本企業との大きな違いとして「善意に頼る経営」をしないことを佐藤氏は挙げた。

「おもてなしとよく聞きますが、提供する側に余裕がなければ本当のおもてなしはできない。大事なことは仕組みづくりなのです」(佐藤氏)