英国ハリー王子はステレオタイプを超えた

最近のビジネス環境においては、男性と女性の機会均等を図り、さまざまなジェンダーの方が役職に就く機会を広げようとする試みがある。

大いに結構なことだと思う。

男性と女性、ジェンダーの多様性を重視することは、みんなが同じになることを必ずしも意味するのではない。男性、女性、それぞれの可能性の発揮の仕方があってよい。

大切なのは、固定観念にとらわれないことだろう。男性はこう、女性はこうと決めつけるのではなく、一人ひとりの個性を尊重することで、創造的に生きることができる。

最近のニュースでも、男性、女性のステレオタイプを超えた個性の輝きについて考えるきっかけがいくつかあった。

まずは、米国の女優、メーガン・マークルさんと、英国王室のヘンリー王子との結婚。

2018年5月19日に行われた米女優メーガン・マークルさんと英ヘンリー王子の結婚式。(AFLO=写真)

アフリカ系米国人を母に持つメーガンさんの英国王室入りを、ある米国のメディアは「多くの黒人女性にとって、メーガンさんの婚約は希望をもたらす」と報じた。

それに対して、あるツイッターユーザーは「多くの赤毛の青年にとって、ハリー王子がこんなに魅力的な女性と婚約したことは希望だ」とつぶやき、『ハリー・ポッター』シリーズの作者、J・K・ローリングさんをはじめ、6万人以上のユーザーにリツイートされた。

アフリカ系の母親を持つ女性が英国王室入りすることは、確かに画期的なことだろう。その一方で、そのことばかり強調するのでは、かえって固定観念にとらわれてしまう。

「アフリカ系」「赤毛」「英国王室」は、すべて1つの個性。それらを「フラット」に見るのが、現代において最も進んだ、説得力のある立場なのかもしれない。