極秘チームは、暗号でホテル入り

小野田セメント(現・太平洋セメント)の経理課長時代、1992年から翌年にかけて、41歳のころだ。連日のように、東京都江東区にあった本社ビルの机を、そっと離れ、1人で近くのホテルへ向かった。フロントで「暗号」を口にすると、会社が極秘に借りた続き部屋の鍵を渡される。部屋へいくと、やはり社長から内々に指名を受けた経営企画部の人間がいた。秩父セメントとの合併を、ひそかに進める「隠れ家」だ。

太平洋セメント 社長 福田修二

92年秋、社長に呼ばれた。とくに急ぎの懸案も思い浮かばぬまま社長室へいくと、合併構想を打ち明けられ、極秘チーム入りを命じられる。経理畑だから、主に合併比率の案をつくる作業に就いた。