内向的な性格が「現場」でキャラ変した
水谷建設の重機オペレーター・大崎友里さんは時折、昔の自分を思い出して、「変わったなァ」と思うことがある。
たとえば、キャタピラのついた重機を操作しながら、現場の仲間と作業手順のやり取りをしているとき、あるいは休憩時間に先輩社員と気さくに冗談を言い合い、笑っているときなどがそうだ。
「中高生の頃の私は、どちらかといえば内向的なタイプでした。でも、この会社に入ってからは、本当によくしゃべるようになりました。宮城県の実家に帰ると、親やきょうだいに驚かれるくらいです」
さまざまな重機が同時に作業を行う土木の現場では、オペレーター同士のコミュニケーションが何よりも大切だ。安全かつ効率的に土を掘り、運び出すためにも、チームプレーは欠かせない。
「それに――」と彼女は言う。2003年の入社以来、北は北海道から南は島根県まで、日本全国の現場を渡り歩いてきた。
「転勤のたびに、初対面の人たちと仕事をするので、慣れてきたんでしょうね。いちいち人見知りをしていたら、とてもじゃないけれどやっていられない。言われる前に言う、みたいな姿勢が身についたんだと思います」
この仕事に興味を持ったのは、高校3年生のとき。就職活動を始めてすぐの頃、「こういう仕事もあるぞ。大崎にはデスクワークは向いてなさそうだし、どうだ?」と、所属していたバレーボール部の顧問にすすめられた。顧問は土木科の教師だった。