お客様は神様……。でも、ときと場合によっては部下をかばう
量販店を担当している営業部員が、激昂して帰社してきたことがあります。聞いてみると取引先が契約をたてに、彼に店の販売員のようなことをさせているのだとか。
こんなとき、あなたが上司だったらどうしますか?
「お客様は神様! 理不尽だと思っても会社のために我慢してくれ」と諭すようならリーダー失格です。たとえ大事なお客様でも、取引先の労働力として扱われるいわれはありません。きちんと取引先に異議を申し立て、部下を守ってこそのリーダーです。
私は実際にこのようなケースに遭遇し、2回ほど取引をやめたケースがあります。「当社はお客様と同じくらい社員を大事に考えております。ご理解いただけなければ、おつき合いしていただかなくてけっこうです」と。
果たして、売り上げは落ちたでしょうか?
いいえ、社員たちは誇りを持って働いてくれて、業績回復の大きな力となったのです。
売り上げに悩んだときにリーダーが自問すべき言葉
企業は社会環境に合わせて、対応を刻々と変化させていかなくてはなりません。荒海の中では帆を下げ、凪なら潮の流れを探し、利益という目的地を目指す存在です。ですから、初めて部下を持ったときは、「自社が、そしてこの自分の仕事が、今どんな状況にあるか」に常に敏感でした。以下は私が役職者として、毎日のようにつぶやいてきた呪文。
つまり、この会社や商品は――
・力が弱いのか強いのか、弱体化しているのか?
・可能性があるのか、ないのか?
・拡大するのか、縮小するのか?
・伸びるのか、伸びないのか?
・高いのか、安いのか?
・やる気があるのか、ないのか?
・じゃあ、それがどうしたんだ!
・可能性があるのか、ないのか?
・拡大するのか、縮小するのか?
・伸びるのか、伸びないのか?
・高いのか、安いのか?
・やる気があるのか、ないのか?
・じゃあ、それがどうしたんだ!
――です。
実は上の6つ目までは、自分たちの組織の立ち位置をチェックするための言葉です。これだけでは単なる分析にしかすぎません。そして最後の「じゃあ、それがどうしたんだ!」こそが分析に息吹を与えます。つまり、6つのチェックでどのようなはマイナス要因が出てこようとも、それにとらわれずに、頭をポジティブに切り替えるための「スイッチ言葉」なのです。
(写真=iStock.com)