企業に限らず組織にはリーダーが必要です。そして規模の大小にかかわらず、リーダーによって組織は変わる可能性を秘めています。これまで2000社超の赤字企業を再生させてきた長谷川和廣氏は「リーダーの仕事とは働く人のモチベーションを上げることだ」と強調します。その方法とは――。

※本稿は、長谷川和廣『2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート』の一部を再編集したものです。

昇進させるべき人は「部下に花を持たせる」ことができる人

今回はリーダーについて、私の考えを述べてみたいと思います。

私が昇進させたいと思う人の条件は部下の能力を120%引き出せる人材です。そして以下の7つのチェック項目に照らし合わせて最終的に判断します。

1.部下に「自分は成長している」と思わせる能力
2.小手先の知識でなく、原理や理念に沿った、実践的な行動を教える能力
3.情熱を持って、部下と接することができる能力
4.指導に迷いがない人
5.思いやりと厳しさを持って接することができる能力
6.部下の長所と欠点を把握する能力
7.部下に、花を持たせることができる人

特に7は大切です。7をできる人の部署が、いちばん業績の良いケースが多いからです。

真のリーダーが心がけるべき4つの行動

写真=iStock.com/Jirsak

組織のリーダーという立場になったとき、真っ先に考えてほしいのは次の2つです。会社が生きていくために社内外の変化を敏感に察知して、状況に応じて「会社の力」を駆使すること。そして会社を取り巻く環境の変化に勝ち抜くために組織力を磨き、強化することです。

そのためにあなたがまず心がけなくてはいけないのが次の4つの行動です。

1.良いこととは気づいているが、自分がそれをやっていないことに気づこう
2.過去のしがらみを捨てる勇気を持とう
3.組織の壁、垣根を取り払おう
4.縦割りの責任のなすり合いをなくそう

激変する現代において、組織は臨機応変に状況の変化に対応できなくてはなりません。これら4つのことはすべて、部下という立場のときは望んでいたのに、いざ上の立場になるとなかなか実行できないことでもあります。

リーダーは「絶対に黒字にする!」という執念を持て!

リーダーになった以上、持ち続けなければならないのが、以下に記す3つの執念です。

1.「絶対に利益を生み出すんだ」という覚悟と執念
2.熱意と、粘り強い努力を続ける執念
3.目標を達成するためのチーム作りを続ける執念

一見、当たり前のように思えるかもしれませんが、この3つを持ち続けることは、存外難しいのです。