誰もが希望通りの職場で働けるとは限らない。だが「就活」で不本意な企業に入ったとしても、未来を悲観する必要はない。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は「最初の勤め先でその後の人生がすべて決まるわけではない。ちょっとした心がけと最低限の常識があれば、他に活路が見つかるものだ」と述べる──。

就活や会社員人生を悲観的にとらえない

2019年3月に卒業を迎える大学生の就職活動が始まった。今年も新卒就活は引き続き“売り手市場”と評されているが、そうはいっても超人気企業に入るのは、やはり難しいこと。誰もが自分の希望する会社に入れるわけではない。

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きっと就活時期が終わるころには、「結局、第一志望の会社には入れなかった……」「他に、もっといい会社があったんじゃないだろうか」などと思う人も数多く出てくるだろう。また、今年3月に大学を卒業する4年生のなかには「あぁ、ついに学生生活が終わってしまう」「これから、不本意な職場で何十年も会社員人生を送らなきゃならないのか」といった絶望的な気持ちになっている人もいるかもしれない。

とはいえ、そこまで未来を悲観する必要はない。もはや最初に入った会社によって人生が決まるような時代ではないのだ。それに現在、いろいろな領域で活躍している人たちのなかには、過去に職を転々とした人や、そもそも会社に入ったことすらない人が大勢いるではないか。新卒就職をそこまで大ごとに捉えず、「あくまで自分主導で人生を送っていたら、その過程で『就活』という選択肢があった」「長い人生で、たまたま最初に入った会社がここだった」くらいの感覚でいてもまったく構わない。とりあえず、何かしらの縁があって採用されたのだろうから、せっかくなので働いてみる──まずはその程度の認識でも問題ない。

本稿では、一概に転職を推奨しない。最初に入った会社が仮に第一希望ではなかったとしても、それなりに幸せや納得感を得られるのであれば、それは素晴らしいことだ。そのまま、そこで働き続ければいい。

だが、実際に1社目の職場で働いてみて、絶望してしまった人に対しては、「想像以上に、世間はあなたに対してドアを開いているよ」「意外とあなたを必要としてくれる環境や、能力を評価してくれる職場は多いよ」ということを伝えたい。転職も選択肢のひとつだが、会社を辞めることなく異動を待ってもよいだろう。自分の人生なのだから、自分で責任が持てるなら、好きに生きればいいのだ。