そのうえで読売社説は排除の論理の是非をこう論じていく。
「疑問なのは、憲法改正や安全保障関連法容認を掲げた公約を認めて、公認を得て当選しながら、なお反発する議員がいることだ」
「同じ党に所属する以上、基本理念と政策の一致は欠かせない。小池氏の発言に行き過ぎがあったとはいえ、路線や政策などでの選別自体は否定すべきではない」
緊張感を失わせた野党の責任は大きい
この主張には大賛成である。これまで沙鴎一歩も指摘してきたが、民進党やその前身の民主党は、保守派と革新派とが同居する寄り合い所帯だった。それが最大の欠点であった。それゆえ党としての安定性に欠いていたのである。だから一度は政権を取りながら、内紛を繰り返してきた。
単純に排除の論理を否定する東京新聞の社説とは違い、読売社説は物事の是非の判断がきちんとできている。
続けて「離党や解党に言及する落選者もいる。『小池人気』にすがって入党したのに、全責任を小池氏にかぶせるのは身勝手ではないか」とも訴えている。これも納得できる。
さらに読売社説は後半で「立民、希望、無所属で当選した民進党出身者は計108人だ。衆院解散時の97人を上回った。こうした人材を活用・育成し、政策立案力を高める必要がある」と強調し、「安倍内閣の下では、政権を担える野党の不在が続く。政権選択選挙である衆院選で、緊張感を失わせた野党の責任は大きい」と野党の責任をはっきりと示している。
まったく、その通りで賛成だ。
(写真=時事通信フォト)