政局に大混乱を招いた解散劇が終わった。「大義なき解散」と批判されるなか自民党の安倍晋三総裁は選挙で「消費税増税分の使途変更の是非を問う」としていた。元内閣官房内閣審議官(社会保障・税一体改革担当)で、能力の高さから「ミスター年金」「国有財産」とまで呼ばれた香取照幸氏が与野党の選挙公約の問題点を語る。
日本の財政赤字はGDPの約2倍
「snap election」(突然の選挙)。今回の日本の総選挙を諸外国のメディアはそう呼んでいます。実際かなり「唐突感」のある解散だったのではないかと思います。そのことは、各党の選挙公約の「急ごしらえさ加減」を見ても感じられます。そんな中、安倍総裁が「消費税増税分の使途変更」を訴えたことから、消費税が総選挙の争点の1つになっていました。
この問題を考える出発点として、そもそも何のための消費税の引き上げだったのか、2012年に与野党で合意した社会保障・税一体改革(以下「一体改革」)ではどんな議論をしたのか。原点に立ち戻って確認をしておきたいと思います。
一体改革は、「財政健全化」「経済再生」そして「社会保障改革」を同時に達成するための改革です。この3つは深い相互依存の関係にあります。安定的な成長がなければ財政再建もできないし社会保障の財源も確保できません。社会保障が機能しなければ社会の安定と活力が失われ経済社会は発展しません。財政が健全でなければ政府は財源不足で機能不全に陥り社会保障はもちろん、あらゆる分野でその役割を果たせなくなります。どれ1つを欠いても経済社会が機能しなくなるのです。だから一体改革なのです。
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