安倍晋三首相が衆議院の解散に打って出た。野党再編の台風の目となった「希望の党」は230人以上の立候補者をそろえ「安倍一強の打破」を掲げる。今回の選挙で国民は何に注目すればいいのか。安倍首相を長年取材し、首相の表も裏も知る産経新聞・阿比留瑠比編集委員と、「森友」「加計」問題の政府責任を厳しく追及してきた東京新聞・望月衣塑子記者に聞いた――。
▼解散に大義はあるのか
【東京新聞・望月衣塑子記者】今回の選挙は大義がない選挙です。郵政解散は郵政の自由化を掲げ、それに関して選挙を通じて民意を問うというものでしたし、野田佳彦元首相も解散で社会保障と税の一体改革の是非を国民に問いました。9月下旬の共同通信の世論調査では64.3%がこの時期の解散に反対しており、これは身勝手な解散を断行した政権への不信感の表れです。
安倍晋三首相は森友・加計学園問題で「説明責任を果たす」と国民に約束しました。野党が「ならば臨時国会を召集せよ」と言い続け、ようやく9月にきっちり追及することになっていました。このタイミングだけを見れば「森友」「加計」からの逃げじゃないかと疑ってしまいます。最低限の代表質問や衆議院調査局の調査もすっ飛ばし冒頭解散をしましたが、首相の独断で決めていたかのような印象があります。
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