フレームの強度不足で水平尾翼が変形、ひび
神戸製鋼所の強度偽装問題はついに防衛装備品にまで影響を及ぼし始めた。13日、防衛省の青柳肇報道官が記者会見で、神戸製鋼製の強度改ざんアルミ素材が航空機や誘導武器、魚雷などに使われていると認めた。
経済産業省によると、アルミ素材は三菱重工業、IHI、川崎重工業、SUBARUの防衛装備品に使用された。ここで注目すべきは、川崎重工だ。
川崎重工がアルミを大量に使用している防衛装備品は物資や車を運ぶ大型輸送機「C‒2」や、潜水艦を空中から探知するなど周辺海域を警戒監視する哨戒機「P‒1」がある。
C‒2輸送機は2000年に計画された国産機だが、開発中の機体の強度不足の発覚で、予定よりも現場配備が5年も遅れた。18年度末までに8機が実用される予定だ。その輸送力は、機甲戦力「16式機動戦闘車」を自衛隊機では唯一そのまま運べることに表れている。
P‒1哨戒機は、C‒2の兄弟機で、2機は同時に計画された。P‒1の機体重量比で約15%が共通部品で、搭載システムは品目数で約75%が共通装備されている。
C‒2は、これまでに米国、UAE、ニュージーランドから引き合いがあり、P‒1もニュージーランドや英国と交渉したとされる。日本にとって、防衛装備品輸出の切り札ともいえる。