10年後、65%が今は存在しない仕事に
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」 (ニューヨーク市立大学教授 キャシー・デビッドソン氏)
先日、「2020年の入試改革とこれからの子供たちが求められる力について」という講演会に参加した。そこで引用されたのが、少し前に文科省の資料に登場した上記の発言だった。
今の仕事の6割以上が変わるとは、大変なことのように思われる。しかし今から10年前を考えてみると、ちょうどiPhoneが発売された2007年。当時、多くの人は携帯電話が今のような形になるとは想像できなかったし、火星移住計画などどこか夢物語だった(参考:火星に移住できるまで、あと33年~気になる予算は「マンション購入」程度? http://president.jp/articles/-/21837)。
今や、子どもの社会科の問題集には、かまどや洗濯板と一緒に、黒電話も“昔の道具”として掲載されているし、公衆電話を知らない子供も大勢いる。いずれ、スマートフォンも洗濯板と一緒に並び「この道具はなんでしょう?」などと書かれる時代になるかもしれない。
そう考えると、遠くない未来に65%の新社会人が、今は存在しない仕事に就くのも驚くことではなさそうだ。こうした“仕事が変わる理由”の一つが、AI(人工知能)による技術の進歩やオートメーション化である。
昨年末の米オバマ政権下でも、人工知能が経済・社会に与える影響についての報告書を発表している。その中で、「時給が20ドル以下の仕事」の83%ではAIが優勢になるが、「時給40ドル以上の仕事」ではその割合は4%という研究などが引用されていた。
AIやIoT(モノのインターネット)などの技術革新により「第4次産業革命」と称される時代、人間の仕事はどんな風に変わっていくのだろうか。