医者選びの失敗はあまりに大きい

医師不足、医療過誤、医療崩壊……。医療にまつわる最近のニュースは暗いものばかりだ。自分には直接影響がなくとも、それが自分の親、田舎に住む年老いた両親のこととなれば不安を抱える人も多いのではないだろうか。いざ両親が病気になったときに満足な医療を受けることができるのか。医療制度自体に関わる課題は一朝一夕には解決しえない。しかし、医療の利用者として、患者のちょっとした心がけひとつでよりよい医療を受けることはできる。

まず気になるのは、いい病院、いい医者の見分け方だ。命に直結する手術をお願いする場合、ここでの失敗はあまりにも大きい。医師でジャーナリストの富家孝氏は「先祖代々『この医者』『この病院』と決めていたり、大病院、大学病院ならば安心だと考えたりしていないだろうか。肩書や大学名などのブランド信仰は危険」と語る。年老いた親を安心して任せられる病院や医者とはどんなものか。見分けるためのポイントを解説する。

病院や担当医が決まっても、安心はできない。親世代の病院通いは長期戦になる可能性が高い。できれば気持ちよく病院に通ってほしいと願うなら、医者を本気にさせる付き合い方も知っておきたい。東京医療センターの尾藤誠司医師も、親の医療について不安を抱える一人だ。「私にも田舎に暮らす80代の母がおり、帰省した際にはかかりつけの病院まで付き添うこともある。医者の立場から言えるのは、Webで調べた情報を信じ込み、医師の言うことを信じない患者は困るということ。とはいえ、医師の言うことになんでも『お任せします』と言う患者が付き合いやすい患者かといえば、実はこれも違う」

では患者としてはどういった姿勢で医者と向き合えば、医者を本気にさせることができるのだろうか。医者の立場と自身の経験、両方から語ってもらった。

医療にお金はつきもの。「年老いた両親が大病を患えば、治療に何百万円もかかるかもしれない」という不安を抱える人も多いのではないだろうか。医療費に詳しい早川幸子氏は、「医療費への不安から民間保険に加入する高齢者もいるが、場合によっては、大切な老後の資金を削るだけになってしまう可能性がある」と指摘する。老後の医療費はいくら必要になるのか。

これであなたの親も安心できる医療を受けられるはずだ。

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