あの超人気大統領と「そっくり」な理由
初夏の気配が漂う季節になりました。いよいよ東京都議会議員選挙も近づき、新宿から新しい風が吹き始めました。時折、永田町からも妙な風が差し込みますが。
去る5月にはフランスで大統領選が行われました。世界が固唾をのんで見守る中、極右政党である国民戦線のマリーヌ・ル・ペン氏を破り、中道派のエマニュエル・マクロン氏が勝利しました。フランス史上最年少大統領の誕生です。
マクロン氏の動きについて、私は強い関心を抱いてきました。フランス在住の友人たちからも、つねに現地情勢が寄せられるのですが、その1人が、マクロン氏と私の類似点を指摘してきました。
マクロン氏といえば、大統領選に出馬する以前から「金融界の王子」と注目され、ダボス会議などでも、聴衆を魅了するその話術と戦略的思考に、フランスの「新しいスター」と話題でした。
特に、オランド政権下で務めた経済相時代には、仏自動車メーカー、ルノーの最高経営責任者(CEO)カルロス・ゴーン氏と、その高額な報酬をめぐって対立し、一躍耳目を集めました。長期保有株主の議決権を倍にし、その影響力を強めるフロランジュ法を盾に、ゴーン氏の報酬削減を求めるという強気さ。一時期ルノーの社外取締役を務めていた私は、あのゴーン氏を相手取り、真っ向から挑むマクロン氏の腕力に複雑な思いを抱いたものです。「若いのに凄腕の人物がいるものだ」と。
さて、そんなマクロン氏と私の類似点とは何か? 友人は「どちらも政党支持を得ることなく、国民や都民に選ばれたこと、改革に取り組む姿勢、そして議会対策」だと言います。