「忖度だらけのふるい都議会を新しく」

いよいよ東京都議会議員選挙が6月23日に告示となりました。7月2日の投開票日に、都民の皆様がどのような結論を出されるのか、各党の戦いの幕が切って落とされました。

6月1日、私は正式に自民党に離党届を提出し、「都民ファーストの会」の代表に就任しました。まさに退路を断ち、腰を据えて「東京大改革」に乗り出すべく、あらゆる準備が整った状況です。同日には「都民ファーストの会 都議選総決起集会」も開き、選挙に打って出る公認予定者48人も紹介。うち3分の1は女性です。

今回は都議選の争点についてお話しさせていただきます。

都民ファーストの会が「東京大改革」のために掲げた公約は全部で321に及びますが、改革を支える基本的な柱(基本政策)は大きく14項目に分かれます。その一部を紹介させていただきますと、「待機児童問題解決の加速化」、災害対策強化条例制定などを含む「命を守る、頼れる東京の実現」、「ライフ・ワーク・バランスの徹底」、国際金融都市推進条例制定や、人手不足・後継者問題解決などを目指す「成長し続ける都市・東京へ」、「東京オリンピック・パラリンピックの成功」、豊洲・築地市場問題を含めた「都民の食の安全と安心を守る」、受動喫煙防止条例制定を含む「スモークフリー社会の実現」などです。

知事の年収半減で「逆転現象」

いずれもまったなしの喫緊の課題ばかり。さらに私たちが都政改革の一丁目一番地と定める課題があります。それは議員改革です。

「忖度だらけのふるい都議会を新しく」。これが日本の首都東京を大きく変革する鍵となると考えています。どんなに立派な建物のなかで、物々しく議会を開いていても、肝心の議員たちのマインドが変わらなければ、東京は相変わらず変革から取り残されます。いまやシンガポールや香港にアジア金融都市として後塵を拝する東京が再び世界に羽ばたくには、要となる人から代えねば始まりません。

衆議院議員時代に推し進めた無電柱化推進法
小池氏は衆議院議員時代に、議員立法として、電線の地中化を進める法案の成立を目指した。知事就任後、超党派の議員により提出され、2016年12月に、無電柱化推進法として参院本会議で可決、成立した(写真は16年5月24日に、ヘイトスピーチをなくすための対策法案が議員立法として国会の衆院本会議で可決、成立したときのもの)。(読売新聞/AFLO=写真)

具体的には議会改革条例を制定し、議員特権をことごとく廃止していきます。近年は都議会というとスキャンダルばかりクローズアップされて残念な限りですが、その筆頭として、前知事が辞職する要因の1つともなった公用車問題があります。都議会には現在議員公用車が23台。運転手の人件費や車のリース代、ガソリン代など含めると年間で約2億円の経費となっています。さすが東京なのか、いまどきなのか……。最低限の議長、副議長用車以外は廃止すべきです。小さな話のようですが、「神は細部に宿る」といいます。「不当口利き」禁止条例や、徹底した情報公開の実施など、本来なら当たり前のことながら、これまで徹底されてこなかった議員職に関する“常識”を一新します。

議会と知事は車の両輪にたとえられます。どちらかの回転ばかり速くても、都政という車は走りません。ここ4年間で東京都では4人も知事が代わっています。企業でいえば、1年ごとに社長が交代しているようなもの。会社のかじ取りは社長ではなく、実力のある専務あたりがすべてを取り仕切ることになり、当然ながらそのような会社の業績が上がるなどということは起こりえません。

トップ自らが身を切る改革をしなくては。その思いから、私は知事に就任後真っ先に知事報酬を5割カットしました。2896万円だった年収を半減させたことで、都議会議員との年収の逆転が生じましたが、これをきっかけに、破格の議員報酬も見直され、議員報酬の2割削減も実現しました。