フリー素材も100%安全ではない
著作権の例外規定はほかにもある。たとえばあるキャラクターを自社の商品に起用するかどうかを実際に検討する際、そのキャラクターの画像を資料に使うのは問題ない(検討の過程における利用:著作権法30条の3)。ただし、これも注意点がある。
「資料に留まらず、サンプル作成レベルになると、著作権法上問題になる可能性があるので、著作権者と交渉すべき」
このようにネットで見つけた画像を資料に使うのは縛りが多い。かといって自分で撮影したり、社内資料のために著作権者と交渉して許可を得るのは負担が大きすぎる。
現実的には、どのような対応が可能なのか。まず思い浮かぶのは、フリー素材やクリエイティブコモンズ(著作権者がある条件のもとに再利用を許可した著作物)素材の使用だ。しかし、これらも100%安全ではない。利用規約で営利目的での使用を禁じている場合があるからだ。利用するなら、確認してからのほうがいい。
以上の通り、著作権の規定は堅苦しいものなのだが、もし許可されていないものを社内資料で使ったらどうなるか。
「社内で使っている限り、現実には著作権侵害が発覚するリスクは高くありません。訴訟になったとしても、著作権侵害の度合いは低く、賠償額はわずかでしょう」
(図版作成=ライヴ・アート)