エクセルの作業スピードを速めて、時短を実現させたい、とビジネスマンなら誰しもが考えているはず。投資銀行では、ものすごい速さでエクセルの計算をしており、日々、限られた時間の中で最大の成果を出すように努めています。

そこで労力を減らし、作業効率を上げてくれる味方が、自動的に計算や検索作業をしてくれる関数です。

エクセルでは非常にたくさんの関数を使えますが、ビジネスの現場で使うのはその中のごく限られたものだけ。関数の一覧を眺めて、公式を頭に叩き込む必要はありません。「このようなシチュエーションでは、この関数が使える」とケース別に理解し、いくつかの実践的な関数だけを確実に使いこなせればいいのです。

そして最後に強調したいのは、エクセルはスピードも大事ですが、それ以上に大事なのは計算ミスがないということ。もし関数の利用によって作業時間を軽減できたら、余った分の時間は計算のチェックに費やすのが理想です。

【自動で計算してくれる見積書を作りたい】

[1]VLOOKUP関数をマスターしよう

商品名を打ち込めば、自動的に単価が出てくる。そんな理想的な見積書は、VLOOKUP関数を使うことで可能になる。VLOOKUP関数は探したい値を見つけ出してくれる便利な関数。利用頻度も高いので、ぜひマスターしたい。

VLOOKUP関数=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号[, 検索方法])

(a)商品・単価・個数の項目と、その合計を表示する見積書の表を作成。その下に商品と単価を記した一覧をくわえる。

(b)商品名にあわせて単価が自動的に表示されるよう、単価欄にVLOOKUP関数を挿入。検索値に商品名のセルを、範囲には商品単価一覧を指定。さらにF4キーを押し、絶対参照として$マークをつける。列番号は「範囲から検索値を見つけ、そこから数えて右○列目の値を表示させる」意味なので「2」を入力し、FALSEを打って終了。

(c)作成した計算式をそのまま下へコピーしていくと、商品名にあわせてそれぞれの単価が自動的に表示される。

【完成】合計を表示するセルにSUM関数を挿入し、商品ごとの金額を範囲に指定。合計金額が表示されれば、完成だ。