将来の売り上げ・利益をシミュレーションする際、念頭に置いてほしいのは、最終的に「利益」が出る計画を作ることができるかです。売り上げを伸ばしても最終的に利益が出なければ企業は存続できません。そのために、エクセルを使ってシミュレーションモデルを作り、可能性を検証するわけです。
将来の予測で、まずやらなければいけないのは事業の売り上げと利益が何で構成されているかを知ることです。特に重要なのは売り上げに繋がる要素であるバリュードライバーを、相関分析などを使って発見すること。その数値を変えながら将来の予測を立てていきます。
予測では、為替や競合状況など外部環境の変化についてリスクを管理することも大切です。これはエクセルの感応度分析という手法で見ることができます。
計画にまとめる際には、現在のトレンドが続くパターンだけではなく、何かの指数が落ち込んだり、逆に好転する3つのパターンを想定することで相手への説得力が増します。エクセルを最大限に生かし、確度の高いシミュレーションをしてみてください。
【不振の原因を突きとめたい】
[1]収益構成を分解しよう
過去の実績を分析する場合、ビジネスが好調もしくは不振な状況であっても、まずは収益構成を明確にする。事業の売り上げと費用が何に左右されているのか。影響を与えている指標を「バリュードライバー」と呼び、項目に分解していく。
(a)事業の売上・費用が何から構成されているか、ツリー状に分解。売上、利益の決定要因であるバリュードライバーにまで分解していく。その際、注意することは2つ。構成を細かくしすぎないことと売上に連動する費用を確認すること。構成を複雑にすると何が重要かが見えづらくなるので、できる限りシンプルな構成になるように心がける。「材料費率」のように比率化することも必要。
【完成】「売上」「費用」をそれぞれ分解した項目に合わせて表をつくり、過去の実績数値を埋めていく。表を作成する際には、構成に合わせて項目を1列ずつずらして作成する。そうすることで「売上」と「費用」の計算方法が明確になり、はじめて表を見た人でも簡単に構成をつかむことができる。また、バリュードライバーの数値は色を変えて表示しておくと、変化する数字であることがわかりやすくなる。