スケールの大きい話をプレゼンしても、上司や取引先の心を動かせなかった。その理由のひとつとして考えられるのは、話の根拠となるデータ、特に数字的な裏づけがないことです。
といっても、ただ数字を羅列すればいいわけではありません。実は数字は、それだけだと意外に説得力がないもの。色を使って強調したり、キャッチーなグラフに変換したり、見せ方を工夫して、初めてその数字の重要性が相手に届くのです。
グラフを作成する際の大事なポイントは、「比較」です。たとえば「今年の売り上げが3億円」という数字も、他社や過去、または市場と比較することによって、価値が理解しやすくなるのです。
そしてもうひとつ、見た者を唸らせる資料は、シンプルで美しいという共通点があります。自分で見やすいと思っていても、実は独りよがりだったというのはよくあること。社内やチーム内でフォーマットを共有し、ルール化を進めると、勝手な思い込みをなくしていくことができます。
【記憶に残る色使いにしたい】
[1]グラフの基本をマスターしよう
表を作るのは、エクセルの基本中の基本。その表をグラフに変換するのも難しくないが、見た目に差が出やすい。グラフによって、見る相手に視覚的なインパクトを与え、資料全体にメリハリをつけよう。
(a)3社の売り上げが数字で比較された表。A社がトップであり、よく見るとA社の売り上げはC社の倍以上あることがわかるが、平坦な印象だ。
(b)まずはグラフのもとになる表全体を選択。「挿入」タブから、グラフグループの中にある、縦棒の図を選択する。
(c)棒グラフの数字を表示するため、棒グラフを右クリックし、「データラベルの追加」を選択。
(d)上部分に数字が追加された棒グラフ。数字が小さくて見にくい場合は、数字を右クリックし、フォントを大きめに調整しよう。
【完成】完成した棒グラフ。ただの数字が棒になって高さを得たことで、A社の売り上げがC社の倍以上あることもビビッドに伝わる。