【複雑なグラフをスッキリ見せたい】

[9]シェアの変化は積上縦棒グラフで

円グラフはスペースを必要とする。複数あると場所をとり、小さくすれば数字や文字などの表記が目立ち、本来の効果を発揮できない。そこで同じく構成比を示す、100%表示型の積上縦棒グラフを使おう。コンパクトにおさまり、時系列の増減も把握しやすい。

(a)順調に業界シェアを伸ばしているA社。しかし円グラフを並べて表現すると、円が転がっているように見えて、シャープさに欠ける。

【完成】積上縦棒グラフのほうが、シェアの変化がよくわかる。内訳の数字を全部入れると見づらいので、思いきって表示しないのも手だ。

[10]棒グラフも色使いでひと工夫を

内訳を横に並べた棒グラフは見映えが悪い。内訳と合計がわかる積上縦棒グラフにするとスッキリする。そして色合いも気を使おう。主張の強い色ばかりだと、目がチカチカするので、なるべく穏やかな色合いでまとめる。

(a)商品別の売り上げを横に並べた棒グラフ。飲料Aが成長していることは伝わるが、合計でどれだけ伸びているか、はっきりしない。

【完成】積上縦棒グラフにしたことで、全体の推移が一目瞭然。またパステルカラーに統一したことで、グラフにまとまりが出る。

[11]トレンドの変化は面グラフで見せよう

面グラフは、時間の経過による変化の量を強調する。グラフ全体が塗りつぶされるので、与えるインパクトは絶大だ。名前通り、「面」を見せるのが売りなので、こまかい数値をあげるより、トレンドの変遷など、大きく連続性がある変化を示すときに用いたい。

(a)積上縦棒グラフで表現された統計。いつの時代に、どれだけのシェアを占めていたか、大体の数値が把握できる。

【完成】左のグラフよりも、シェアが劇的に変わったイメージが伝わる。ただし比較対象の項目が多い面グラフは見にくいので気をつけよう。

熊野 整

モルガン・スタンレーの投資銀行部門で、顧客企業のM&A、資金調達案件に携わる。現在は、スマートニュースにて財務企画担当。全国でエクセルセミナーや企業研修を行う。著書に『外資系投資銀行のエクセル仕事術』。
(文=鈴木 工 撮影=竹井俊晴 写真=平地 勲)
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