数字に強い専門職のエース社員が今回、特別に社外秘の資料公開してくれた。ほかでは絶対に見られない保存版だ。
“3D”データで異常値を見抜く
ミドリムシで環境、食料、エネルギー問題を解決しようというユニークさや、最近の業績の好調さで目を引くユーグレナ社。その経営戦略部を率いるCFOが永田暁彦氏だ。2014年に東証一部に上場時、弱冠30歳。いまだ32歳のCFOは東証一部上場企業のなかでもずば抜けて若い。
永田氏の責任範囲は広く、経理、総務、人事の管理部門全体と広報・IR。さらに会社全体の事業戦略、新規事業開発チームのヘッドの仕事もあり、子会社であるユーグレナインベストメントのトップにも就く。
「研究と営業以外のすべてが担当」という多忙を極める中で、財務諸表から経営状態をチェックするのは最も重要な仕事だ。
「予算策定するのは完璧にエクセルですね」とエクセル活用度は高い。売り上げ情報などの一次情報は社内システムによって集まってくる。経営チームが、それを基に財務諸表を作成するときはエクセルだ。
最終的にいろいろなデータが積み上がってグループ全体の財務諸表が上がってくるが、その際に重視しているのが「時間軸」「横の広がり」「深度・詳細さ」という「3D」でデータを読み解くことだという。
「たとえば時間軸で予実管理をしていったとき、業績に大きく上振れ、下振れがあれば業績の上方修正、下方修正を出さなければなりません。当然、その原因を探し出す必要があります。どこのグループ会社、あるいはどの部門が原因なのかを広がりのわかる資料で読み取り、さらに深度・詳細の資料でどこの売り上げが寄与したのか、あるいはどのコストが業績を圧迫したのか追求します」
意外にも若きCFOは財務諸表をモニターだけで見ることなく、俯瞰性のいいA3の紙に打ち出して確認している。
「今の時代、カッコ悪いかもしれませんが、まずペーパーで読むんです。一覧すると、異常な数字が浮かんで見えるんですよ」