[2]相関分析で仮説を検証しよう

【STORY】回転寿司チェーンで営業部長に昇進したAさん。着任初日、社長に呼び出され、3年後の売り上げ・利益予測と、それに基づいた新たな目標数値の設定を命じられた。エクセルを使って社長が納得するシミュレーションに取り掛かった。

バリュードライバーを明確にしたところで、各項目がどのように連動しているか、見極めていく。そのために、まずはいくつか仮説を立ててみる。ここでは「人件費は客数に連動する」と仮定し、人件費と客数の関係度合を、相関分析を使って検証する。

(a)Ctrlを押しながら、客数と人件費のセルを選択。そこで「挿入タブ」→「散布図」を選択して「OK」を押す。

(b)図は横軸が客数、縦軸が人件費を示す。ここから、客数が増えるほど人件費が増える傾向にあることがわかる。

(c)次に傾向を定量化する。そのために2つの数字にどれだけ相関があるかを示す相関係数を算出。定量的に判断できるようになる。

(d)散布図の点を選択してマウスを右クリック。そこで「近似曲線の追加」→「グラフにR-2乗値を表示する」→「閉じる」をクリックする。

(e)表示された数字が相関係数。1に近づくほど相関が強い。一般的には0.5以上で相関があり、0.7を超えると強い相関があるとされる。

(f)統計的に断定はできないが、人件費は客数の影響を受けていることが判明。「客1人あたり人件費」をバリュードライバーに加える。

(g)バリュードライバーに加えた「客1人あたり人件費」の項目を、行を挿入して表に加える。人件費/客数で算出する。

【完成】客1人あたり人件費は2010~11年が260円程度、12年以降は220円程度で推移していることがわかる。