1億2000万人がアクセスした広告

「私は考えて、考えて、考え抜きます。そのうえで、思い切って実行します。それが突破力を生み出す」

ファーストリテイリング グローバルコミュニケーション部部長 <strong>勝部健太郎</strong>●1974年生まれ、慶応大学卒。金融機関・自動車メーカーでマーケティングを担当。2006年入社。UNIQLOCKが「カンヌ国際広告祭」のチタニウム部門とサイバー部門でグランプリを獲得。
ファーストリテイリング グローバルコミュニケーション部部長 勝部健太郎●1974年生まれ、慶応大学卒。金融機関・自動車メーカーでマーケティングを担当。2006年入社。UNIQLOCKが「カンヌ国際広告祭」のチタニウム部門とサイバー部門でグランプリを獲得。

世界一の広告を決める2008年度カンヌ国際広告祭でチタニウム部門グランプリ(翌年は、オバマ大統領の選挙キャンペーンが受賞)に輝いた「UNIQLOCK」の発案者である勝部健太郎は語った。

UNIQLOCKとは、簡単に言えば、味気ないWeb上のブログなどを飾り付けるパーツだ。文章表現を一切使用せずに、ユニクロの服を着たダンサー・音楽・デジタル時計を組み合わせて表示する。

ユニクロの広告戦略は、他業種を圧倒している。たとえば新聞の折り込みチラシでは、値段を大書きし、主婦層をターゲットに絞っている。新聞に対しては、ニュース性を重視し、「FR60(ユニクロ60周年)」を展開した。ほぼ告知なしで、朝の6時から開店し、60年前に配ったというアンパンと牛乳を開店を待つ客に用意した。翌日の新聞がこぞってとりあげたのは言うまでもない。非常に安上がりで効果的な手段だ。

そして勝部のWeb戦略だ。

「ネット広告は、ヤフーのバナー広告に代表されるようにワンクリック○○円を払ってユーザーを自社ホームページに誘導する形が今でも主流です。数日、数週間単位で数千万円という金額が消費されていく。このやり方には限界を感じていました」