「お化け番組」にゆるんだ自制心

<strong>テレビ朝日社長 早河 洋</strong> はやかわ・ひろし●1944年、山梨県生まれ。67年中央大学法学部卒業、テレビ朝日入社。85年チーフプロデューサーとして『ニュースステーション』を立ち上げる。96年編成局長、97年報道局長、99年取締役、2001年常務、05年専務、07年副社長。09年より現職。
テレビ朝日社長 早河 洋 はやかわ・ひろし●1944年、山梨県生まれ。67年中央大学法学部卒業、テレビ朝日入社。85年チーフプロデューサーとして『ニュースステーション』を立ち上げる。96年編成局長、97年報道局長、99年取締役、2001年常務、05年専務、07年副社長。09年より現職。

部下たちに、言い続けていることがある。「NHKを視たい人もいれば、うちの『報道ステーション』が好き、あるいは日本テレビがいいという人もいる。視聴者は、そういう多様性のなかから、信頼できる番組を選んでいる」。視る人の選択肢と満足度、それを、番組づくりの基本に置く。核となるのは「報道」だ。

素材を選び出し、どう描くか、切り口や発想が大事なことは、前回指摘した。ただ、放送事業者に免許を与える法律にも明記されているが、テレビには報道機関としての基盤がある。ニュースを扱っているからこそ、信頼性が保てる。言い換えれば、ニュースはテレビにとってブランド品。その「ニュースをやる」ということを、ビジネスに置き換えたのが「報道ステーション」だ。