巨額の発注ミス顔色変えず対応

1995年、「失われた10年」のただ中で、日経平均は一進一退を繰り返す。年初と年末こそ1万9000円を超えたが、6月には1万4000円台に落ち込んだ。そんな冴えない相場のなかで、1万7000円台を回復した日の午後だった。

株価の先物やオプションの取引を受け持つチームを率いていた。小さなディーリングルームで、隣の席にいた部下が真っ青になって言った。