冷凍食品を改良「コスト増」も実現

<strong>味の素 社長 伊藤 雅俊</strong> いとう・まさとし●1947年、東京都生まれ。71年慶應義塾大学経済学部卒、味の素入社。95年食品部長、99年取締役、2003年味の素冷凍食品社長、05年味の素専務、08年食品カンパニープレジデント。09年より現職。
味の素 社長 伊藤 雅俊 いとう・まさとし●1947年、東京都生まれ。71年慶應義塾大学経済学部卒、味の素入社。95年食品部長、99年取締役、2003年味の素冷凍食品社長、05年味の素専務、08年食品カンパニープレジデント。09年より現職。

1987年、冷凍食品部で、一般向け商品の担当課長をしていたときだ。エビ焼売やグラタンなど主力商品の新製品を計画し、幹部会に諮った。だが、猛反対に遭う。当時、別会社にしていた工場が全国に4つあり、どこも技術畑の幹部が社長に就いていた。その4人が「そんなに金をかけて、うまくいかなかったら、どうするのか」と口をそろえた。

冷凍食品は、市場の反応が即座に出る。原材料が見劣りしたり、消費者の嗜好の変化に遅れたりすれば、一気に市場シェアを失う。だから、商品開発にスピード感が不可欠だ。その前に担当していたスープが、改良を重ねていい商品に仕上げていく商品だったのとは、対照的だった。