大型書店には最新の知識が集積

喜多さんによれば、何か目的があってデパートにいるときのほうが、「アンテナが立っている(=感度が高い)」ので、「おみやげ(=得られるおまけ情報)」が多いそうだ。また、デパートは定点観測することも肝心だという。

「各階の商品構成という情報を“縦軸”にして、そこに時間という“横軸”を通していけば、時系列的な商品構成の移り変わりから、時代のムードの変化がわかります。最近、母と一緒に実家のある京都のデパートに買い物に行きました。そうしたら、店内が落ち着いた雰囲気に変わっていました。ファッション売り場でも、ブランドを前面に打ち出さず、顧客のセンスで商品を選べるようになっているのです。そこで『腹をくくって、シニアにシフトしたんだ』と気づきました」

また、喜多さんは、大型の総合書店にも足しげく通う。書店には最新の知識が集積されていて、世間でどんな動きが起こっているのか、何が関心を集めているのかを知るには最適というわけだ。

「デパートと同じように、仕事目的のコーナーだけでなく、なるべく全館を見て回ります。書棚に並んでいる本の背表紙を眺めているだけでも、たくさんの重要な情報が入ってきます。背表紙のタイトルには、その本のエッセンスが盛り込まれていますから」

デパートや書店を回り、幅広い情報に触れていることで、アンテナの性能は上がって、ムードが掴める。そうすれば、情報を的確に取捨選択でき、有用な情報が自ずとキャッチできるはずだ。

テレビ番組リサーチャー 喜多あおい
1964年、兵庫県生まれ。大学卒業後、出版社、新聞社などを経て、94年からテレビ番組リサーチャーの活動を開始。98年よりジーワンに参加、チーフリサーチャーを務めている。また、一般企業向けのリサーチも幅広く行っている。
(南雲一男、宇佐見利明、加々美義人=撮影)
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