“男子男系”へ危機感を示した読売新聞
国会では、皇族数を確保するための皇室典範改正の動きが本格化している。
近々にも、各党の見解を踏まえた上で、衆議院と参議院の正副議長が取りまとめ案を示すことになっている。それが各党で了承されれば、政府は改正案を国会に提出し、今国会中にその成立をめざすことになる。
しかし、本当に皇室典範の改正がなされるのだろうか。国会での議論が進めば進むほど、現在の方向性への疑問も投げかけられている。
その代表ともいえるのが、5月17日付の読売新聞の「社説」である。社説は新聞社全体の方針を示したものであり、読売新聞では以前から、女性天皇や女系天皇を認める方向での皇室典範改正を主張してきた。
今回の社説も、その線に沿ったものである。そこでは、「男系男子以外に皇位継承資格を認めないという前提にこだわり続けていたら、天皇制の存続そのものを危うくしかねない」と、危機感が表明されている。
「女性・女系天皇」を容認する方針は、小泉純一郎政権のもとでの有識者会議の報告書に示された。社説は、「現在、養子案を支持する政党が、この報告書を一切考慮せずに結論を急ぐのは、女性・女系の可能性を排除するのが狙いだろう」と述べている。これは、本質を突く指摘である。
皇族数確保策の裏にあるホンネ
すでに述べたように、旧宮家の養子案が浮上したのは、その有識者会議での報告書に保守派が危機感を抱いたからである。
その後の保守派の動きは、女系天皇が生まれる可能性を封じるために、女性天皇まで認めない方向で動いてきた。現在の国会での議論が、その延長線上にあることは明らかである。
表向き国会での議論の目的は、皇族数を確保し、皇位継承の安定化を図ることにあるとされている。
ところが、国民のあいだでは、「愛子天皇」待望論が日増しに高まり、女性天皇、さらには女系天皇の誕生が期待されるようになってきている。そこに国会での議論との大きなズレがあるわけだが、とくに保守派は、なんとしても「愛子天皇」待望論の根を断ちたいと考えている。読売新聞の社説は鋭く、そのことを暴露しているのである。

