お互いの強みを活かす
――「こと京都」さんは、岩谷産業さんと共同出資で会社を設立しておられます。岩谷さんの冷凍技術「フレッシュ・アイ製法」を採り入れて来年から製造出荷を開始されるそうですが、パートナー企業を選ぶ基準はおありでしょうか。
【山田】岩谷産業さんの冷凍技術には興味があったし、食品事業を真剣に展開したいというのが伝わってきたので、一緒に手を組んでやっていこうと思いました。
――外部企業との連携はいかがですか。
【山田】やはり大企業ですから決裁には時間がかかりますね。ただ、岩谷産業さんは海外拠点をたくさん持っておられるので、海外はお任せしようと考えています。仕事の配分ができれば、いい。だけど、技術や資本があって、知識があれば、組む必要はない。相手と組むことによるメリットがあれば、きちんと条件を伝えて確認することが大切。岩谷産業さんの技術でつくった冷凍九条ねぎは海外ビジネスにも耐えられるかな、という手ごたえがあった。現在、東南アジアのアッパーゾーンの店では築地から九条ねぎを仕入れるところもあるようです。航空便で運んで、半分、腐らせて捨ててるらしい。冷凍のニーズはありますよ。
(後編に続く)
(大和田悠一(有限責任監査法人トーマツ)=聞き手 山岡淳一郎=文・構成 尾崎三朗=撮影)