職場では、上司や部下といった立場の違いで、意識のすれ違いが生まれやすい。だが、そうした問題を簡単に解決できる「行動の仕組み」がある。

「結論から申しますと」と唱えよう

報連相も、上司とコミュニケーションを取るチャンス。やり方次第で上司の評価も上がるし、仕事の効率もアップする。報連相は「上司が知りたい最低限の情報」さえ伝えられれば十分。その情報を伝えきったら、その後は聞かれたら答えればいい。

とにかく「結論だけを先に言う」仕組みをつくってしまうのだ。「報告」で上司が一番聞きたいのは、「何があったか」という結論だけ。「A社の件ですが、このままだと納品が遅れそうです」とだけ報告すればいいのだ。

ただそのあと、多くの上司は「何で?」と聞いてくるはず。そう聞かれてから遅れた原因を答えればいい。そしてさらに「で、どうする?」と聞かれたら、「今からできる対策は○○です。手伝っていただけないでしょうか」と提案して上司を巻き込むのだ。そのほうが問題も解決しやすいし、上司も部下の積極性を感じたうえで応援してくれるだろう。

最初に原因を話してから結論を言うと、どうしても上司には言い訳のように聞こえてしまう。結論を最初に言うか最後に言うかで、報告の印象は大きく変わる。報告するときは、まずは「結論から申しますと」と唱えれば、直後に結論を言わなければならなくなる。報告は「仕事の発注者に向けた情報提供サービス」と考えて、一番大事な情報を相手に提供することが大事。

「相談」は、部下にとっての「問題解決のための情報収集活動」。実力以上の仕事をなし遂げ、自分の成長につなげるための「仕組み」として意識して使うべき。

相談のポイントは、自分の案を持ってするということ。「どうしましょう」ではなく、「どうでしょう」と提案することが大事。「問題は○○です」と問題を伝えてから、それに対する自分なりの意見を「私は△△だと思うのですが、どうでしょう」と上司にぶつけてみる。上司は、経験などに基づいたアドバイスや判断をしてくれるだろう。

(澁谷高晴=撮影)
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