違いはポテンシャルではなく心構えにある。人材育成のプロたちが説く、いまもこの先も活躍できる人の条件とは。
上司のスタイルを見極める
●解説者:熊平 美香
上司にとって仕事をしやすい部下になればいいのです。3つのポイントがあります。
一つは、上司に指示を仰がなくてもやれる仕事と、指示が必要な仕事をきちんと切り分けること。指示がなくても一人前にこなせるようになったのにいちいちお伺いを立てていたら上司もうんざりしてしまいます。逆に、難しい仕事に積極果敢に取り組むのはいいのですが、適切なホウレンソウ(報告・連絡・相談)なしで突っ走ってしまうと、上司はハラハラします。どちらも上司にとっては迷惑な部下です。
2つ目のポイントは、上司とのコミュニケーションの取り方を工夫することです。人にはそれぞれコミュニケーションのスタイルがあります。
口頭で細かく報告しないと機嫌が悪くなる人もいれば、細かい報告を求める点は同じでもメールを好む人、あまり細かく報告されても面倒だから、困ったときだけ相談にきてほしいという人、といろいろです。自分の上司はどうなのかをよく見極め、そのスタイルに応じたコミュニケーションを心がけるべきです。
最後は、自分の世界観だけを頼りにせず、会社あるいは部門全体から自分の仕事をとらえることです。会社や部門にはビジョンやミッションがあり、それを実現するための戦略があり、それを形にした経営計画があります。それに紐づいてあなたの部の今期目標があり、それを達成するために個々の仕事があるのです。その全体像をまず把握したうえで、あなたの上司はどんな役割を担っているのか、あなたは何を期待されているのかを考えてみましょう。期待に応えていると自由を与えられるようになり、自分のやりたい仕事もできるようになります。
以上の3つを完璧にこなせれば、上司の右腕人材になれること間違いなしです。