子どもにはどんな習い事をさせたら良いのか。文教大学教育学部の成田奈緒子教授と公認心理師の上岡勇二さんの共著『その「習慣」が子どもの才能をダメにする』から、「子どもがやりたがっているから」「親がさせたいから」で選んではいけない理由と習い事を正しく選ぶ方法を紹介する――。(第4回)

※本稿は、成田奈緒子、上岡勇二『その「習慣」が子どもの才能をダメにする』(SB新書)の一部を再編集したものです。

ピアノを弾く女の子
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです

「やらせてみる」で習い事をさせるのはNG

×親自身は苦手だが、子ども自身がやりたいと言った習い事をさせる

○親が楽しめて、なおかつ子ども自身も楽しめる習い事をさせる

【エピソード】
モナは幼稚園のあと、ピアノや英会話、ダンスと習い事に通っています。何でも興味を持つタイプで、友だちがやっていると聞くと「モナもやりたい!」と言って始めるのです。ただ、ピアノもダンスも家で練習することなく、「通っているだけじゃ意味がないんじゃない?」と母親は不満顔。
しかし、母親もピアノは弾けないので練習を見てあげることができません。いつも通りレッスンに連れて行こうとすると、モナは「嫌だー!」と言って走って逃げました。母親が「いいかげんにしなさい!」と怒るとモナは泣きだし、険悪な雰囲気でレッスンに向かいました。

5歳くらいまでの子の「あれをやってみたい」「これもやってみたい」は、その場の興味や雰囲気で言っているだけということがよくあります。友だちがやっていると聞いたからとか、体験教室に気軽な気持ちで行ってみたら楽しかったから「やってみたい!」と言うのですが、習い始めてみたら全然行きたがらないという話はよく聞きます。

習い事を選ぶ際の絶対条件

こうなると、親は毎回連れて行くのも一苦労です。この年齢はまだまだ自分で考えて行動する脳が育っていません。とくにピアノの練習のように家でコツコツやらなければいけないことは、親のサポートなしには難しいでしょう。「ちゃんと練習しなさい」と言うだけでは、子どもはどうしていいかわかりません。

ですから、幼い頃から習い事をさせるのであれば、親が楽しいと思うものを選ぶことをおすすめします。親がピアノが好きで、日常的にピアノを弾いて楽しんでいると、子どもも自然と興味を持つものです。親が弾いているついでに子どもも弾く、というように生活の中に組み込みやすくなります。

サッカーが好きなら、親子でリフティングをしたりボールをパスし合ったりして遊ぶ日常があって、「サッカーを習う」のが良いでしょう。

親が楽しいことが前提です。そうでないと、親が子どもを習い事に連れて行くのが「義務」のようになり、「頑張って連れて行っているのに成果がない」「サボっている」と思い始めてしまいます。子どもも「練習しなさい」「頑張りなさい」と言われるのが嫌で、ますます行きたくなくなるという悪循環に陥ってしまうというわけです。これは望ましい状況ではないでしょう。