職場では、上司や部下といった立場の違いで、意識のすれ違いが生まれやすい。だが、そうした問題を簡単に解決できる「行動の仕組み」がある。
低評価の部下こそ操縦するチャンス
人事考課制度を「悪」とみなす上司は多い。「本当は評価なんかしたくなかったのに、会社の人事考課制度に従って評価を低くつけたら部下のやる気がなくなった」というグチをよく聞く。確かに部下も、自分が評価されていないと感じたらやる気を失う。最近は自己肯定感の低い若者が多い。一度「どうせがんばっても駄目だ」とあきらめてしまうと、立ち直れないのだ。
でも実は人事考課という仕組みは、うまく使えば「上司が部下にやる気を出させるための仕組み」に転換できる。人事考課で低く評価された部下は、「人間としての自分が低く評価された」と思いがち。だがそこで「そうじゃない。人事考課とは君がやった仕事の結果に対する会社の評価だ。会社の期待にどう応えたかをデータ化した、単なる『仕組み』なんだ」と説明する。
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(澁谷高晴=撮影)


