玉木、前原両氏それぞれの事情
「新代表は、もう蓮舫でいいんじゃないか? そうなれば毎日、ワイドショーでとりあげられるよ。民進党も話題になって、支持率が上がるんじゃないか?」
冗談とも自虐とも思われる声が、民進党の中であがっている。8月5日に蓮舫代表代行が出馬表明したことで、次期民進党代表選(9月15日投開票)の火ぶたが切られた。ところが目ぼしい対抗馬がまだ出ていないのだ。
出馬会見した後、蓮舫氏は党所属各議員の事務所に挨拶にまわった。
「玉木、出ないのかな。出た方がいいと思うんだけど」。
ある若手議員に蓮舫氏はこう話しかけている。
「玉木」とは出馬が噂される玉木雄一郎衆院議員のことで、蓮舫氏が最も意識しているライバルだ。蓮舫氏は玉木事務所に挨拶に行った時、本人に直接出馬をけしかけた。
「あなた、出なさいよ」。
しかし代表選に出馬するには、20名以上の現職国会議員の推薦が必要だ。衆参併せて148名にすぎない民進党では、それがけっこうなハードルになっている。蓮舫氏には野田佳彦元首相が率いる花斉会をはじめ、岡田執行部も付いている。だが玉木氏は自身のグループすら持っていない。