映画監督の紀里谷和明さんにお目にかかったとき、映画『ラスト ナイツ』の撮影のあれこれを伺った。

紀里谷さんにとって、初のハリウッド作品! しかも、主演があの名優、モーガン・フリーマンということで、果敢な挑戦を続ける紀里谷さんは凄いなあと思いながら、制作のご苦労など、いろいろと伺った。

画像は2014年10月、中国のゴルフトーナメントのイベントにて。(写真=時事通信フォト)

その中で、「モーガン・フリーマンは、どういう人でしたか?」と聞いたときの、紀里谷さんの答えが、とても印象的だった。

「いやあ、謙虚な人でしたよ。全く偉ぶらない、本当に、控えめな人でした」と紀里谷さん。「そうでしたか」と感銘を受けたが、紀里谷さんが続けて言われたことが、とても納得できた。

「何しろ、ものすごい実績のある人ですから、みんなに尊敬されていて、今さら偉ぶる必要がない。むしろ中途半端で、自分に自信がない人ほど、威張るんじゃないでしょうか」

確かに、モーガン・フリーマンといえば、『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞の助演男優賞を受けたのをはじめとして、『ドライビング Miss デイジー』『許されざる者』『ショーシャンクの空に』など、映画史に残る数々の名作に出演し、すばらしい演技を残している、押しも押されもせぬ名優。今さら現場で威張る必要などない、という紀里谷さんの解説は、深いところに響く。