ラグビー人生で一番ラグビー
柔らかいイメージのキャプテンである。パナソニックをラグビー・トップリーグ3連覇に導いたフッカー堀江翔太。今季はワールドカップ(W杯)での活躍に続き、トップリーグでもチームの先頭に立って奮闘した。
25日のリーグ表彰式。「大変なシーズンでしたね?」と聞かれると、最優秀選手賞(MVP)に選ばれた30歳主将は柔和な笑顔を浮かべた。いつも誠実。
「大変でしたよ、ホンマに。ワールドカップやって、ひと息もできずにトップリーグというのは大変でしたけど、チームメイトが助けてくれました。みんなに感謝ですね」
ラグビー人生で一番ラグビーをやったんじゃないですか? と質問がくれば、堀江は「そうですね」と苦笑した。
「とくに勝たなアカンというような感じのプレッシャーの中でのゲームが多かったですからね。ワールドカップも、トップリーグもそうだった。その中でのラグビーは非常にきつかったですね」
根っからのリーダーなのだろう。帝京大で主将を務め、パナソニックのキャプテンは3季目だった。成長したのは、「観察力」と「聞く力」である。チームメイトの意見に耳を傾け、ロビー・ディーンズ監督と対話を重ねた。互いの信頼関係があればこそ、である。