新機種購入時にしか安くできないドコモ、au

40代のビジネスマンであれば、家族や仕事関係の人にしか電話せず、“待ち受け”が中心という人も多いだろう。メールやインターネット機能もあまり使わないのであれば、費用を下げる方法は1つ、基本料金の安いプランを選ぶことだ。

ソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)の契約者数急増の原動力となっているのが、月額980円の「ホワイトプラン」である。深夜1時からその日の夜9時までという時間制限があるものの、ソフトバンクユーザー間の通話が無料ということもあり、家族や法人の需要を中心にユーザーを増やしている。

これまで携帯電話各社が販売店に対して奨励金を支払うことにより、ユーザーは新機種を安く買うことができた。昨年、この販売奨励金の制度が見直され、月々の支払いは安くなる代わりに、端末価格が高騰するという状況になりつつある。

そんななか、NTTドコモやauも「月額980円」というプランを投入。ソフトバンクに対抗する構えを見せている。NTTドコモの「タイプSSバリュー」、auの「プランSSシンプル」というプランがこれに当たる。

ただし、いずれの場合も、新機種を決められたコースで購入した場合という適用条件がある(図参照)。つまり、「いま使っている機種を持ち続けたうえで、月額980円の料金プランに変更する」ということはできない。店頭で新機種を購入した際、分割もしくは一括で機種の代金を支払い、そのうえで月額980円のプランを契約しなくてはならないのだ。当然、新機種の値段は販売奨励金があった時代と比べ、高くなっている。

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他社ユーザーにも万遍なく電話するのであれば、「NTTドコモ」「au」のほうがお得!

その点、ソフトバンクの場合は新機種購入が条件とされていないので、携帯電話ショップに行ってホワイトプランを契約すれば、すぐに980円が適用される。解約金も不要など、制約はゆるめだ。

次に、980円で享受できるサービスの違いを見てみよう。NTTドコモやauの場合、980円のなかに1050円分の無料通話分が含まれている。しかも、NTTドコモやauでは家族間の通話料を無料にすることが可能だ。一方、ホワイトプランでは、ソフトバンクユーザー間や家族では通話料が無料となるものの、980円のなかに「無料通話分」が含まれていない。つまり「家族にも、他社ユーザーにも少し電話する」というのであれば、NTTドコモやauのプランのほうが割安となる場合がある。

NTTドコモやauのユーザーであれば、すでに契約しているキャリアを使い続け、機種変更のタイミングで、月額980円の新しい料金プランに変更する、というのがよいだろう。安易にキャリアを変更しようとすると、長期契約の解除料が発生してしまい、損するケースもありうる。むやみにキャリアを替えることなく、いま契約している会社で得する方法を考えるほうが賢明だ。

(ライヴ・アート=図版作成)