なぜ「GoodはGreatの敵」なのか?

「GoodはGreatの敵」

私の愛読書『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』(ジム・コリンズ著)の冒頭に出てくる言葉です。私はこの言葉が好きで、講演でもよくお話をしますし、自分にもよく言い聞かせています。

ある程度努力して、そこそこの状態になって、それで伸びなくなる人がいるのは、とても残念なことです。

なぜ、伸びないのか。

その理由のひとつは「Good」な状態に満足しているからでしょう。仕事上、「特に問題が起きていない」もしくは「顧客からクレームが来ていない」。まあまあ良好といえる状態を保つ自分にあぐらをかいている状態。本人は幸せかもしれませんが、それでは成功とは言えませんし、社会への貢献も少ないのです。

自分の人生の目的は何か。

自分にとって仕事とは何か。

私はいつもそのことを考え、忘れないようにしています。自己実現とは「なれる最高の自分になる」こと、常に「Great」を目指すことだと思っています。

考えてみれば、「働ける時期」というのは多くの人にとって一生の中で一番良い時間帯を過ごしている時期だと言えます。気力・知力・体力が充実している。そして仕事を通じて「なれる最高の自分」を目指すのです。自己満足ではいけないのです。

「なれる最高の自分」ということに関連して、以前、ある銀行の支店長さんに教えてもらった「散歩のついでに富士山に登った人はいない」という言葉も私はとても大切にしています。

アウトプットやそれに対する評価というような目標を持たずに、漫然と努力を続けている人は、この言葉にならえば、必死に歩いているけれど、それは近所をうろうろ散歩しているだけで終わる、ということなのかもしれません。人の評価を気にせずに努力している人は、目標を定めずに努力をしているように私には思えるのです。