人生でV字復活を果たした人々はいったい何を支えとして耐え抜き、もう一花咲かせることができたのか?

33歳、突如下った地方への出向の辞令

意に沿わない辞令を渡されても、歯を食いしばり、しぶとく返り咲くビジネスパーソンがいる。

東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫もそのひとりだろう。東レ本社時代、49歳で初めて部長(プラスチック事業企画管理部)になり、57歳のときに同期トップで取締役(経営企画室長)に就任した。そのような人もうらやむ出世街道の礎ともいえる経験、それは突然人事部より出された出向辞令によってもたらされたものだった。

東レ経営研究所特別顧問 佐々木常夫氏

東京大学卒業後に東レに入社して10年。佐々木は着実に実績を残したが、33歳のとき、石川県金沢市にある同社取引先の繊維商社に突如出向を命じられたのである。まさに寝耳に水。その商社は、極度の業績不振にあえぎ、経営再建に一刻の猶予もなかった。