給与を伸ばすには3つの方法がある。ひとつは自分が出世することだ。残りの2つは、会社が成長するか、厚遇の会社に移るか。必要なことは大局観をもったキャリアづくりだ。会社頼みでは、必ず行き詰まる。
塩野 誠さんの回答
無用な正義感をふりかざせば「たそがれ研修」送り
銀行は「信用創造」という役割を担っており、いわば資本主義の心臓です。送金システムやATMなども生活に欠かせません。ゼロから銀行をつくろうとしても、なかなかできるものではありません。このため簡単に潰れては困るということで、数多の規制に守られており、雇用が安定しているのです。
しかし日本では依然としてオーバーバンキングの状態にあります。3大メガバンクを中心に統合が進みましたが、それでも「こんなにいらないよ」というのが、一般的な感覚ではないでしょうか。窓口で手厚いサービスが受けられたり、無料で銀行口座を維持できたりするのは、規制のおかげです。銀行はそれだけ甘やかされてきたといえます。
こうした状況は、もう続かないでしょう。今後はさらなる規制緩和が待ち受けているはずです。将来を見据え、足下では人員整理が着々と進んでいます。たとえばドラマ『半沢直樹』の主人公たちのような40代のバブル入社組は、すでに多くの人間が「自分はどこまで出世できるか」がわかっているはずです。社内に残れない人間には、今後のキャリアプランなどを検討させる「たそがれ研修」が待っているからです。
銀行に限らず、大企業では以前よりも、片道切符で子会社に放り出される時期が早くなっています。子会社への転籍も、行くところがあるだけ幸せで、どこにも行くところがないことも普通です。
終身雇用が望めないときに、どうすればいいか。まずは自分の状況が敗者復活もなく絶対的なものなのかという見極めが必要です。いまは何が起こるかわからない世の中です。経営の混乱により、傍流から呼び戻された人が、出世コースに返り咲く、というケースはいくつもあります。