海外旅行中に病気で入院した、高価な売り物を壊した、ゲリラ豪雨で自宅が冠水したなど、いつ遭遇しないとも限らないわが家の一大事。そんなときの強い味方になり、しかも負担の少ない掛け金で加入できる保険がある。ミニ保険とも呼ばれる少額短期保険は2006年4月の改正保険業法施行によって誕生した、保険業法に基づく保険だ。
同保険の特徴は、保険金額が少額で、保険期間が短期であること。死亡保険の保険金額は原則300万円以下、医療保険は原則80万円以下という制限がある。保険期間も生命保険系の商品は1年更新、損害保険系の商品は2年更新となっている。また、年金保険や終身保険など貯蓄性のある商品は扱えない。期間限定の掛け捨て保険といえるが、そのぶん、従来の生損保にはないユニークな商品や「かゆいところに手が届く」商品が提供されている。
そんな少額短期保険を中心に、あなたと家族の一大事を助けてくれる保険を場面別に紹介していこう。
旅行編
家族全員が楽しみにしている旅行の前には、ジャパン少額短期保険の「お天気保険」や日本費用補償少額短期保険の「レスキュー費用保険」などを検討したい。前者は旅先で一定基準以上の雨が降った場合に旅行代が返還されるもの。思い出にはかえがたいが、屋外ツアーが雨で台無しになることなどに数百円程度で備えられる。対象となるのは「お天気割引付き旅行」として旅行会社が販売する商品。補償内容などについては旅行会社に確認しよう。後者は日本国内の野外活動中に遭難事故にあった場合に、捜索や救援でかかった費用を補償するもの。莫大な費用のかかるヘリコプター救援などを300万円まで補償する。日帰りのハイキングなどの場合は、「モンベル野あそび保険(国内旅行傷害保険)」もある。1泊2日までなら500円の保険料で救援者費用などを300万円まで補償する。
海外旅行に行くなら、病気やけが、盗難などに備えて、海外旅行保険に加入しておきたい。海外ではちょっとした病気入院でも数百万円の費用がかかることもあるからだ。
エイチ・エス損保やジェイアイ傷害火災や三井住友海上、損保ジャパンなどは保険料が安い。なお、海外旅行保険は、主契約である傷害死亡保障が厚いと保険料も高くなる。そこで主契約部分は最低限に抑えつつ、治療や救援の補償を多くすることを考えたい。出発当日、空港で入るなら「バラかけ」と言えば、必要な補償だけに入ることができるので、お勧めしたい。
また、出発当日、空港で入るよりも事前にネットで加入するほうが安く加入できる。クレジットカードに付帯した海外旅行保険があれば、それを活用してもいいだろう。ただし、病気の治療費が少ないことがあるので注意が必要だ。カード加入時とは補償内容や緊急連絡先の電話番号が変わっていることもある。カード会社などに補償内容を確認し、最新の連絡先が書かれた冊子を忘れずに携行しよう。