万が一の備えとして民間の保険に加入する人は多い。だが加入した保険が本当にベストなのかどうかは、保険金や給付金を受け取る事態になって初めてわかる……というのでは困る。そこで終身保険、定期保険、医療保険、がん保険に分けてベストな保険の条件を、保険に詳しいFPの横川由理さんと松浦建二さんに解説してもらおう。
保障が一生涯続く「終身保険」。その分保険料は割高になるが、どこかで必ず保険金を受け取ることができる貯蓄性の高い保険である。例えば30歳で加入して60歳で保険料の払い込みを満了しても保障は死ぬまで続くので「妻の老後の生活を考えて加入する夫が増えている」と横川さんはいう。保障が一定期間に限られる定期保険では、その間に自分が死なない限り保険金が得られない。
終身保険の中で2人が「ベスト」と推すのが、運用結果によって受け取れる保険金が変わる変額終身保険。
「今の500万円の価値が30年後も続くとは限りません。変額終身保険であればインフレに対応できる可能性が高まります」(横川さん)
変額終身保険はソニー生命の「バリアブルライフ」の人気が高い。保険会社が約束した利回りである予定利率が3.5%と高く、定額終身保険に比べると割安な保険料に設定されている。死亡保険金1000万円、60歳払い済みにした場合、保険料は月額2万5310円(40歳男性の参考保険料、以下同じ)になる。
アメリカンファミリー生命の「WAYS」は定額終身保険だが、払い込み終了2年前に保障を「死亡保障」「医療保障」「介護年金」「年金」から選べるところが特徴。現役時代は死亡保障によって万が一に備え、老後が近づいたら1番欲しい保障に切り替えることができるわけだ。