ダルビッシュとてサイボーグではない
どんなに優れたエースといえども、決してサイボーグではない。生身の人間である。だから、時に怪我をする。大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手が右ひじ靭帯の修復手術、通称「トミー・ジョン手術」を受けた。
靭帯とは、骨と骨とをつないで離れないようにしているスジ状の結合組織である。薄く硬い丈夫なゴムのようなもので、例えば、輪ゴムをずっと伸び縮みさせていれば、いつかは伸び切ったり、ちぎれたりしてしまう。
ダルビッシュのコトバを借りると、靭帯の部分断裂ではなく、「すり減っている」状態だそうだ。将来を考えれば、妥当な判断だっただろう。まだ28歳。復帰には15カ月かけるのが理想と言われているから、来年5、6月あたり、元気なダルビッシュがマウンドに戻って来ることになる。
近年、大リーグでは松坂大輔や田沢純一、藤川球児らがトミー・ジョン手術を受けている。なぜ日本人投手に多いのかって。いやいや、日本人だけでなく、米国人も結構、この手術を受けている。
日本人の場合、ひじへの負担が大きい「スプリット・フィンガード・ファストボール」の多寡はともかく、「環境の変化」と“きんぞく疲労”が理由ではないかと言われている。医・科学的な検証はマストである。