女優・エッセイスト 室井滋さん

富山県出身。早稲田大学在学中の1981年、映画「風の歌を聴け」でデビュー。映画「居酒屋ゆうれい」「のど自慢」「OUT」「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」などで映画賞を多数受賞。「ほっとけない魔女たち」「俳句さく咲く!」「しげちゃん☆おはなしラジオ」などに出演中。最新刊絵本『きらきら は・は・歯』(世界文化社)、近刊に『玄人ですもの』(中央公論新社)、『ドレスよりハウス』(マガジンハウス)、『ウリオ』(世界文化社)など。全国各地で「しげちゃん」絵本ライブを開催中。


 

一昨年の春先のことでした。庭に出ると、ホースが出しっ放しになっていた。「だらしないなあ」と思っていたらそのホースが浮いた。2メートルくらいあるヘビだったんです。

あわててあちこちに電話したけれど、区役所では対応できないと言われ、結局、警察に来てもらって毒ヘビかどうかを確認することに。今はいろんなペットを飼う人がいるので、毒ヘビが逃げ出すこともあるのだとか。見てもらったところ、無害なアオダイショウでしたが、「このヘビ、どうします?」と聞かれて困ってしまって。警察に処分を頼むと命は保証できないと言う。なにしろうちの事務所の社長は動物愛護の人なので、このことを電話で話したら、「殺したら承知しないからね。事務所を辞めてもらうから」と言われてしまった。私だってなるべく殺生はしたくない。去年はヘビ年だったし、その日は啓蟄だったし。

それでおまわりさんに「自分に考えがあるので」と言ってヘビを返してもらい、ゴミ袋に空気穴を開けてヘビを入れ、自転車で運んでどこか人のいない遠い所で逃がすことに。ところが適当な場所がなかなか見つからない。しまいにはタクシーに乗って、かなり遠くの雑木林まで行き、そこで放してあげました。そうしたらそのあと、なんだかいろいろとツイてるんです。これもヘビ様のおかげかもしれない(笑)。

この「龍口酒家」さんにもご主人がつくったヘビのお酒がたくさんあるんですよ。ここは中国料理ですが薬膳に近くて、ご主人に「今日はこんな体調で」と言うと「これはどう」と珍しくて体にいいものを出してくれる。漢方薬に使われる蟻を白酒に漬けた「蟻酒」を飲めば、翌日は体がスッキリ。

このお店がすごいのは、中華なのに1人で来てもたくさんの種類を食べられるところ。夜はおまかせなので、「ストップ」と言うまで小皿でいろんな料理が出てくる。野菜もたくさん食べられて、1日30品目食べるようにしている私にはうれしい。

銀座の「はま作」さんは、私のふるさと、富山の郷土料理のお店。ご主人のお父様がなさっている本店が新湊にあって、そこから毎日獲れたての魚が送られてくるそう。だから鮮度抜群。

私は朝、目が覚めると真っ先に「今日は何を食べようかな」と思うくらい、食べるのが好き。体の欲しているものを食べるのが、いちばん力がつくと思いますね。