「正社員クビ自由化」時代も到来間近!? 鳴り物入りのアベノミクスは、しかし、「個人」を守ってくれるわけではない。何歳になっても、働きながら勉強し続けることが身を助けるのだ。

50代となれば、社内でのポジションは明確になる。まずは、出世レースに乗って、将来は経営幹部候補となった人はどんな自分磨きをするべきか。

「厳しいようですが、自己否定・自己反省する姿勢を持つことが大切です」

と語る経営コンサルタントの小宮氏は最近、一代で会社を上場企業に育て、膨大な富を築いた旧知の50代経営者と会食したとき、相手の思わぬ発言に驚いたという。

「会社も私個人も進歩するためにやらないといけないのは、自己否定です」

会社を立ち上げ、大成功を収める率は「何十万人に一人」(小宮氏)。にもかかわらず、その経営者は一切驕ることなく、ゼロベースで今後の展開を考える。その根っこにあるものは、「素直さ、謙虚さだ」と小宮氏はいう。

「40代まで出世街道をきた人は、どうしても自分を過信してしまうことがあります。もちろん自分を全否定する必要はないですが、自己正当化して失敗するのはもったいない。大事なのは、人の話に耳を傾け、受け入れること。そして1日に1回は自己反省する時間を設けること。40代から始めた“古典重読”(http://president.jp/articles/-/14489)を継続し、松下幸之助さんの本などを読めばそうした心持ちが理解でき、人生観ができあがります」

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地位が上がるほど多くの勉強が必要になってくる

また、社会的な地位が上がるにつれ、人間性や器量の大きさに加え、「幅広い教養」も必要になると小宮氏はいう。

「音楽や絵、文学、映画、舞台、歌舞伎のような伝統芸能にもときとして触れておく。口に出るのが仕事関連の戦略や知識ばかりでは、人間としては面白みがない。教養のない人は機械みたいに映ってよろしくありません。機械も性能がよければいいですが、時間がたてば機械は旧式になる運命。だから、教養や人生観の充実さで勝負します」

仕事力と人間味があれば、人脈も豊富で仮に独立しても十分にやっていける可能性が高い、と小宮氏は語る。