サラリーマンの平均年収は412万円――。ピークの1997年と比べ、50万円以上減少した。もはや現状を維持するのも難しい時代、上昇し続けるためにはどうすればいいか。

いまの人脈や経験は老後に役立たない!

フレイムワーク・マネジメント代表 
津田倫男氏

50歳といえば「知命」の年であり、会社においては出世競争の趨勢が見えてくる頃です。

トントン拍子で出世している方は部下が増え、責任も重くなり、ビジネスマンとして一番脂の乗り切った時期になるでしょう。役員に昇格しバリバリ働いているような出世競争の勝ち組は、いまは目先の仕事で手一杯で将来のことは考えたいけれど考える余裕がない、というのが実際ではないでしょうか。勝ち組の人たちは、そのまま会社人生のラストスパートをかければよいと思います。

その一方で上がれる地位にまで上りきった人、あるいは役職定年制などで現在のポジションを維持できない人たちがいます。役職には限りがありますから、全体の割合からすると、こちらのほうが大多数でしょう。

では、残念ながら出世競争で負けた人はその先、きたる定年後を見据えながら何をモチベーションとして、どのように働いていけばよいのでしょうか。

率直に言えば、まず自分自身を厳しく評価し直す必要があります。50代の方によく見られるのが、いま持っている人脈や仕事の蓄積、ノウハウを定年後の第二の仕事人生で活かせる、という勘違いです。会社の肩書がなくなったとき、周囲の人たちはさっと離れていってしまう可能性があります。自分が力を発揮できるようなポジションや環境を得られるとも限りません。

これはなかなか受け入れがたいことでしょう。しかし自分に対する評価の見直しが、その後の人生の成功を大きく左右するポイントになります。