明治時代に日本人の手によって英語で著された本書は、岡倉天心の『茶の本』、新渡戸稲造の『武士道』とともに、世界のベストセラーとなった。

本書で「代表的日本人」として紹介された、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳らの気概と誠実さ、高い理想と強い信念、行動力には感銘を受ける。僕は、さらにこの書籍を世に発信した著者、内村鑑三の姿勢に最も共感を覚える。明治維新後、新興国であった日本が欧米列強に追いつこうとしていた時代に、独自のキリスト教的洞察をもとに5人の偉人の人生を描くことで、日本の良さを世界に知らしめたのだ。

グロービス経営大学院では「リーダーとは何か」を考えるため、本書を学生たちの必読書としている。